歯列矯正とは
美しさだけでなく健康も目指す治療
歯列矯正は、出っ歯や受け口、でこぼこの前歯などの「不正咬合」とよばれる歯並びや噛み合わせを、患者さまにあった矯正装置を使って改善していく治療です。歯並びが整うと、笑顔の魅力が格段にアップするため、歯列矯正というと、どうしても美容面のメリットばかり注目されますが、実はそれ以上に心身の健康面でさまざまなメリットがあります。
歯並びが整えば、しっかりと噛むことができるため、美味しいものを堪能できるだけでなく、胃腸への負担を軽減することができます。また、歯並びが整っていると、すみずみまで歯磨きをしやすくなるので、虫歯や歯周病を予防しやすくなります。そしてなにより、健康で美しい歯になることで、コンプレックスが解消され、自信を持って人前で話をしたり、思いきり笑ったりすることができるようになります。このような心身の健康は、人生において何ものにも代えがたい「財産」です。
あなたの人生をより豊かにするために、歯列矯正を始めてみませんか?
年齢に応じた矯正治療
矯正治療は何歳からでも
始められます
子どもの矯正(混合歯列・小児矯正)
乳歯の歯並びが悪いと、永久歯の歯並びに悪影響を与えたり、成長発育にともなって顎骨の変形や不調和を引き起こしてしまったりする可能性があります。当医院ではお子さまが恐怖やストレスを感じることなく安心して通院できるような体制を整えております。
中学生以降の矯正(成人矯正)
矯正治療は、健康な歯や歯肉があればいくつになっても始めることができます。当医院の成人矯正では、患者さまのご要望をじっくりと丁寧にお聞きしたうえで、一人ひとりに合った治療方法と矯正装置による矯正治療をご提供いたします。目立たない装置による治療も可能です。一般的な永久歯列期の治療期間は、動かすのにおおよそ1年半~3年、保定に2年となります。
40歳からの矯正(中・高齢者の矯正治療)
年齢を重ねると乱れた歯並びは悪化するだけでなく、歯周病や虫歯を引き起こしやすくなります。しかし矯正治療を行なうことで、そのような年齢による歯のトラブルを根本的に解決し、若々しく健康な口元を手に入れることができます。お気軽にご相談ください。
歯並びが悪くなる原因
歯並びが悪くなる原因には、以下のようなことがあげられます。
先天的な原因
顎骨の大きさや骨の位置、歯の大きさや本数などの先天的な原因により、歯並びが悪くなってしまうことがあります。
噛むことが少ない食生活
普段から軟らかいものばかりを食べて、十分に噛むことがない食生活は顎の発達と歯並びに悪影響を与えます。
姿勢や舌の使い方などの癖
頬杖や指しゃぶり、舌で歯を押すなどの癖があったりすると、歯並びを悪くする原因になります。
歯並びへの関心の低さ
歯並びに関心が高いご家庭では、お子さまが小さいころから定期的に健診を受けるなど歯並びや歯の健康に関心を向けているため、歯並びが悪くなりそうな兆候が見つかれば、適切なタイミングで対処することができます。
しかし、一般の歯科医でもタイミングの判断は難しく、家庭で歯並びが悪くなる兆候に気付くことができないと、歯並びが悪化してしまう傾向にあります。
歯並びが悪いことで起きる
健康障害
不正咬合は放置すると下記のように心身にさまざまな悪影響をおよぼす可能性があります。歯並びが気になる方は、ぜひお早めにご相談ください。
歯並びが悪いと、どうなる?
- 歯と歯が重なり合っている部分などに歯ブラシが十分に届かないなど、すみずみまで歯を磨くことが難しいため、虫歯や歯周病になりやすい
- 噛み合わせが悪いため、十分に噛むことができず、胃腸に負担がかかる
- 成長期の正常な顎の発育を阻害し、顎の変形を起こしたり、顔の形に悪影響を与えたりする
- 発音に支障をきたす
- 噛み合わせが悪いと顎関節に負担がかかる
- 歯並びが悪いと人前で自然に笑ったり話したりすることに自信がなくなり、コンプレックスやストレスを抱える原因になる
矯正期間はどのくらいかかる?
歯を動かす必要のある矯正治療は、基本的に長い期間を必要とします。必要とする期間は患者さまのお口の状況や選択する治療方法によっても大きく異なりますが、一般的には、ごく軽い症状の部分矯正であっても6ヵ月から1年、全体的な矯正であれば、2年から3年ほどの期間が必要となります。
なぜ矯正治療には時間がかかるのか
それは、無理なく歯を移動させるためです。歯を移動させる際に強い力を加えれば早く移動するのかといえば、そうではありませんし、強すぎる力は歯にダメージを与えてしまいます。歯を無理なく効率的に移動させるには、それぞれの歯に適切な力を加える必要があります。おおよそ3~4週間のサイクルで適切な力をくわえつづけることで、無理なく適切な場所へと歯を移動させることができます。
当医院では、治療期間に関するご相談も承っております。治療期間について詳しく知りたいという方、できるだけ早く治療を終えたいという方もお気軽にご相談ください。
矯正治療で向かうべき
ゴールとは
矯正治療は、治療方法や矯正装置の種類にさまざまなものがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。当医院では、患者さまの負担をできるだけ少なくしながら、正しいゴールに到達するために患者さまにとって最善の方法を選択し、ご提案させていただきます。
矯正治療で向かうべき正しいゴールとは、ただ歯並びが整った状態ということではありません。「噛む機能」と「治療後の歯列の安定」、そして「顔貌の美しさ」を得ることです。
しかし、そのゴールは治療前の患者さまにはなかなかわかりません。安易な治療で不適切なゴールに到達しないよう、初診相談でじっくりと患者さまとお話をさせていただき、ご質問にも丁寧にお答えしております。
矯正歯科専門医院として責任を持って治療させていただきますので、一緒に正しいゴールへ向かって一歩一歩進んでまいりましょう。
妊娠中の矯正について
矯正治療は一般的に矯正開始から完了までに2~3年の期間が必要になるため、治療中に妊娠がわかる方も少なくありません。「妊娠すると矯正治療が続けられないのでは?」とお考えになる方もいらっしゃるかと思いますが、妊娠で矯正治療ができなくなるということはありませんので、どうぞご安心ください。
妊娠中に矯正治療を受ける方がもっとも気にされるのが、歯磨きです。妊娠中はつわりの影響で歯磨きが辛くなる場合があるため、矯正装置の清掃が十分にできない可能性がありますが、歯科医院でのケアをこまめに受けることで、この問題はクリアできます。
また、妊娠中は心身共にデリケートな状態のため、矯正装置に違和感を覚える場合もあります。しかし、これも辛い時期には器具の調整を行なわないなどして対処することができます。そのほか妊娠中の治療で不安に感じることがあれば、お気軽にご相談ください。
妊娠中の矯正の注意点
ただし、妊娠中は矯正治療開始する際に必要なレントゲン撮影や、治療前の虫歯治療、抜歯には注意が必要です。すでに妊娠が分かっている場合は、出産後のスタートをおすすめします。
逆に、将来的に妊娠を希望している方であれば、妊娠していないうちに矯正治療をスタートしておくのも一つの方法です。
ブライダルを控えての矯正について
ブライダルエステに多くの方が行かれる様に、歯並びも良くしておきたいと思う方も多く来院されます。
部分的な改善であれば期間的に間に合うかが問題となりますので、早目の行動が大切です。
全体的な改善の場合はブライダルの時のみ外すことも可能です。
お気軽にご相談ください。
顎関節症と矯正の関係
近年、若い女性にとくに増えているのが、「顎関節症」です。顎関節症になると、顎関節がスムーズに動かなくなり、「関節が痛い」「口を大きく開けられない」「口を開くと音がする」などの症状が出ます。
よく「矯正をすれば顎関節症も治りますか?」というご質問をいただきますが、矯正治療で顎関節症が治る場合もあれば、治らない場合もあります。
なぜなら、多くの顎関節症は、生活習慣やストレス、噛み合せなどのさまざまな要因が重なって引き起こされているため、矯正治療で顎関節症を改善できるかどうかは、患者さまの生活習慣やおかれている状況、身体やお口の状態によって変わってくるからです。
とはいえ、不適切な噛み合わせが心身のストレスや「偏咀嚼(片側だけで噛む習慣)」の原因になっている例も多くありますので、矯正治療で噛み合わせを正しい状態にすることで、顎関節症の発症が防ぐことができたり、症状を軽くしたりできる場合もあります。
どうぞお気軽にご相談ください。
矯正治療におけるリスク
矯正治療の良い面だけに目がいきがちですが、残念ながら矯正歯科治療によって生じるリスクがあります。
当院に限って起ることではなく、矯正治療を行なう方皆さんに当てはまることです。
当院では出来る限り歯の健康に支障をきたさないレベルに留めるよう注意を払って治療を進めていきます。
1)う蝕、歯肉炎、歯周炎
歯の磨き残しから生まれるリスクです。
2)治療期間の延長
- 成長予測の困難性
顎骨の成長予測は難しく予想外の成長発育が起こった場合、治療期間が長くなることがあります。 - 不適切なメカニクス
矯正装置の力系が適切でない時に起こります。 - 患者の協力不足
定期的な来院、口腔ケア、矯正装置の使用等において患者さんの協力が得られない 場合、治療の中断や延長を余議なくされる場合があります。
3)歯根吸収の発現
歯の根が短くなることが起こることが有ります。
原因は簡単に特定できませんのでこのリスクを100パーセント避ける事は不可能ですが、弱い力で十分な治療と治療の間隔をとることが大切です。
4)歯肉退縮
矯正歯科治療に伴い、歯肉の退縮や付着歯肉の喪失を生じることはあります。
5)骨製癒着
治療中にレントゲンで分からない骨と歯の癒着する病気(骨製癒着)が判明した時は歯が動かないので、治療方針の変更の可能性があります。
6)顎関節症
まれに治療中に顎関節症が生じることがあります。ほとんどの場合症状は落ち着いていきます。
7)後戻り
保定処置の使用を怠ったり、親知らずの萌出、口腔に関係する筋肉のバランが悪い方は、後戻りを生じることがあります。
8)矯正治療の限界
矯正治療の結果にはその症状により限界があります。この点は主治医に確認するのが良いです。