「矯正装置を付けた口元をほかの人に見られたくない」という方におすすめなのが、外からは見えない裏側矯正です。
近年は裏側矯正の装置も改良が進み、表側矯正と比較したときに見られたデメリットが大幅に解消されてきています。
裏側矯正・ハーフリンガルとは
リンガルブラケット矯正装置とはリンガル矯正や舌側矯正とも呼ばれ、表側に矯正装置をつけるという従来の治療ではなく、裏側に装置をつける矯正治療です。そのため、ほかの人からは装置をつけていることがわかりません。矯正装置が人から見えてしまうことにためらいがあるという方に、おすすめの治療方法です。
また、ハーフリンガルは上下どちらかをリンガルブラケット矯正装置で治療する方法で、上の歯をリンガルブラケット矯正装置、下の歯は表側矯正にするのが一般的です。
さらに、リンガルブラケット矯正装置は表側矯正と比べ、虫歯になりにくいことも利点です。これは、だ液が歯の裏側でより多く循環するためです。だ液には虫歯菌が出す酸を緩衝する効果があるため、装置があることによって歯磨きしづらくても、表側よりだ液が分泌しやすいので虫歯になりにくいのです。
メリットとデメリット
● 表側矯正に比べて虫歯になりにくい
● 外食で食べものが装置に挟まっていないか心配する必要がない
● 前歯が引っ込みやすくなる
最大の利点ともいえるのが、人から見えないように装置を付けられることです。
審美面では、表側矯正をしているときに食べものが装置に挟まると目立っていましたが、裏側矯正では挟まるとしても歯の裏側となるため、外からはわかりません。複数の人と外食をする際、口元を気にせず食事を楽しむことができます。
治療面でも、表側矯正と比較したとき、虫歯になりにくいというメリットがあります。だ液は歯の裏側からより多く分泌されますが、だ液は虫歯菌が出す酸を緩衝し、中性にする機能を持っています。そのため、装置を付けている裏側が歯磨きしづらい場合も、だ液の助けによって虫歯になりづらい環境にあるといえます。
また、裏側矯正は、前歯を後ろに移動させることができるので、前歯が引っ込みやすくなります。出っ歯が気になる方にも、裏側矯正は効果があるといえます。
● 若干発音がしづらい
● 表側矯正より費用が高くなる
● 表側矯正に比べて治療期間が長い
歯の裏側に装置がつくため、舌が常に当たることになります。はじめのうちは慣れず違和感をともなう人もいますが、1~2週間で慣れる場合がほとんどです。発音についても同様に、1~2ヵ月ほどで普段と変わらないように喋られるようになりますが、意識的に発音するともっと早く慣れます。
また、費用が表側矯正より高くなるのは、まず歯の裏側が複雑な形をしており、オーダーメイドで装置を作製する必要があるため、そして、歯を動かすためのワイヤーの調整が表側矯正より難しく、高度な技術を要するためです。
リンガルブラケット矯正装置(クリッピーL)
クリッピーLは、矯正装置とワイヤーの摩擦抵抗が少ないセルフライゲーションシステムの裏側タイプです。
このシステムはブラケットにシャッター構造を取り入れているので、ワイヤーをシャッター部分に通すだけで通常の矯正装置よりも摩擦抵抗の少ない手軽な装置として誕生しました。
クリッピーLは矯正装置がほかの人から見えない形となっています。クリッピーLの特徴であるシャッター構造もかなり小さく設計されているので、リンガルブラケット矯正装置のデメリットともいえる発音のしづらさがほとんど起きません。さらに、力をあまり入れなくても歯が動くので、矯正治療中の歯の痛みが軽減されます。
また、リンガルブラケット矯正装置治療は表側矯正に比べると、ワイヤー交換時の診療時間が若干長くなりがちですが、シャッター構造のクリッピーLは従来の裏側矯正よりも診療時間が短縮され、時間的にも大変有効です。
クリッピーLはとても効率のよい装置ですので、興味のある方は一度ご相談ください。